この記事では、元心理系国家公務員の私が実際に行なっていた公務員試験の面接対策を紹介します。
面接試験の対策どうしたらいいの!と困っている人に読んでもらいたいです。
面接試験の対策に唯一の答えはないと思いますが、少なくとも2つの心理系国家公務員の試験に合格した私が当時行っていた試験対策を共有したいと思います。
少しでも参考になれば幸いです。
面接の勝利なくして心理系公務員試験の合格はない
心理職に適した性格はあるのか?
面接は皆さんご存知だと思いますが、就職における面接の重要度は、企業ごと、受験する公務員試験等によって変わってくると思います。
ほとんど(もしかしたら全て?)の公務員試験は、大きく筆記試験と面接試験に分かれています。
筆記試験では、社会人としての知識、教養や職種に関する専門的な知識、教養等があるかをマークシート形式や論述形式の試験で確認されます。
面接試験では、受験者がどのような人物であるか、性格であるか、他者とどのように関わるのかなどを見られ、ざっくりいうと受験している職種に適性があるかを見られることになります。
心理系公務員の面接試験の配点割合
どれくらい面接が重要なのかということを試験制度の観点から見ておきます。
主な心理系国家公務員の主な2つである法務省矯正心理専門職と裁判所職員(家庭裁判所調査官補)の試験の面接(人物試験といいます。)の配点割合は以下のようになっています(いずれも令和3年度の試験)。
基礎能力 | 専門試験(多肢選択) | 専門試験(記述) | 人物試験 | |
法務省矯正心理職 | 2/11 | 3/11 | 3/11 | 3/11 |
※人事院HPより引用
基礎能力 | 専門試験 | 政策論文 | 人物試験Ⅰ(個別面接) | 人物試験Ⅱ(個別面接、集団討論) | |
家庭裁判所調査官補(大卒、院卒ともに) | 4/15 | 4/15 | 1/15 | 2/15 | 4/15 |
※裁判所HPより引用
法務省矯正心理職は、全体の約27%、家庭裁判所調査官補にいたっては、全体の40%が人物試験によって評価されることになっています。
みなさんどう思われるでしょうか。
公務員試験といえば、筆記試験のイメージが強いと思いますが、かなり人物試験の配分大きくないですか!?
おまけ程度に考えられるようなものではないですね。
ちなみに、家裁の人物試験の評価はA〜Eの5段階で行われます。D、E評価をとると問答無用で不合格となります。人物試験による足切りが行われることからも重要度の高さが伺われますね。
勉強が苦手な人ほど面接試験で勝負!
多くの受験者は、必死になって試験勉強をがんばると思います。
もちろんそれは、間違っていないのですが、どうしても勉強が苦手な人はいると思います。
そういう人こそ、面接対策をしましょう!(もちろん勉強も)
極端な例ですが、家庭裁判所調査官補の試験であれば、人物試験が満点なだけで、専門試験と政策論文試験の両方を満点とる以上の効果があるんですよ!!(細かい点数の計算方法があるので、あくまで配分の上では)
違う視点で言えば、筆記試験だけ成績が良くても人物試験がだめだと合格はかなり厳しいと思います。
なので、有名大学出身の頭がいい人であっても不合格はあり得ますし、無名大学でも全然合格するチャンスはあります(実際自分は、無名大学出身です)。
自分の同期にも筆記試験はぎりぎりで、人物試験が高評価で合格していた人がいました。
元国家公務員が実際にやっていた面接対策3選
私がやっていた対策は次の3つです(ほぼ1つです。)。
- エントリーシートの内容を作り込む
- マナーの練習などに時間を割かない
- グループディスカッションの練習は最低限にする
対策1 エントリーシートの内容を作り込む(最重要)
一つ目の対策は、エントリーシートに書く内容をかなり作り込むというものです。私としては、唯一の対策とも言えるものです。
面接はエントリーシートで決まる
エントリーシートかくの正直めちゃくちゃめんどくさくないですか?私はめんどくさかったです。
けど、公務員試験においては、このエントリーシート(面接カードと言ったりします。)に書いてある内容をもとに面接が進むのです。
適当に志望動機なんかを書いていて、そこを質問されたらもうあたふたですよね。たとえ演技派だとしても、経験や感情が伴っていない分、どうしても答えている内容が抽象的になってしまいます。
面接者からしたら、「あ、適当に書いてるな。」「全然気持ちこもってないな」と丸わかりです。
個別面接の時間はだいたい20〜30分くらいだと思います。
一度、悪い印象を与えてしまうと、そのあと挽回できるほどの時間はありません。
なので、「エントリーシートで、面接の進み方、評価が変わる!」くらいの意識を持ってじっくり作り込みましょう。
幸い、当日の面接と違って、エントリーシートはたくさん時間をとって作り込むことができます。
エントリーシートで面接者を支配しよう!
エントリーシートに記載できる情報量には限りがあるため、全てを説明し切ることはできません。しかし、いろいろな思いを持っているのに、それを伝えきらずに終わるのはもったいないです。
みなさん、伝え切れていない部分は面接で話せばいいのです!
そこで、エントリーシートでは、ありきたりではない表現を使ったり、受験者独自の観点を書いたりして、面接者がついつい深掘りしたくなるようなものにします。
自分が話したいことを面接者に質問させることで、面接を自分のものにしてしまうのです。
こういったものをシートの全体にちりばめておくのです。
面接者が深掘りしたくなるようなエントリーシートの書き方については以下の記事で詳しく書いていますので、具体例などもこちらをご覧ください。↓
対策2 面接のマナーは最低限のものだけ1回練習した
した対策ではなく、しなかった対策です。
私の場合、試験にむけた準備期間が非常に短かったという事情があるのですが、一般的な面接のマナー(ノックの仕方、入室時の挨拶などなど)を身につけることに時間は割きませんでした。
結果的には、面接のマナーはほとんど練習しなくていいと思います。コスパが悪いです。
面接官がよっぽど気になるような言動をしなければいいので、一度ひと通りできるようにしていれば、OKです。
とはいえ、見た目の印象は大事なので、一度友人に客観的に見てもらうといいでしょう。
私の場合、お辞儀が変、表情がへらへらしすぎているなど自分では気付きにくい点を指摘してもらえました。
対策3 集団討論、グループディスカッションの練習は1回もしなかった
練習しすぎは危険…
大学等の対策では、ひとりひとりの役割分担みたいなものを意識させることもあると思います。進行役、タイムキーパー、書記などなど…
しかし、私が受けた試験では、グループディスカッションの際に、はじめに「進行役は立てないでください」と指示がありました。
大学等で対策を行い、「自分は進行役をがんばるぞ!」とかって立ち振る舞いを徹底的に固めている人がいたとしたらなかなか痛い目に遭いますよね。
実際の仕事でも、毎回毎回、役割は変わっていきますし、その場の状況をみて、自分が何をしたらいいか判断できることもとても重要ですので、がちがちに練習しすぎはかえって危険だと思います。
最低限の議論の仕方は学んでおこう
ただ、一般的に議論は、進行役、書記、タイムキーパー、その他(意見をぽんぽん出す人、違った切り口で意見を言う人、話をまとめる人、雰囲気をよくしてくれる人などなど)という感じで、自然と役割を分担されることも多いです。
また、話が脱線しないよう「今はなにについて話しているか」を意識することや議論が無駄に長引かないよう、終わりの時間を意識することなどもよく言われます。
こういった議論の仕方を全く聞いたことがないとか、実際に経験したことがないといった人は、多少大学等で行っているグループディスカッションの対策などに行かれるのはありだと思います。
たまたま、自分は部活でのミーティングでこういったことをある程度身につけることができていたので、特に対策をせずとも試験に臨めました。(時間がなかった。)
(おまけ)
下の記事でグループディスカッションの対策や実際にどんな議題が出たかといった体験談を詳しく書いています。是非ご覧ください。↓
面接試験当日の心持ち3選
今までは、面接試験までに行う具体的な対策について説明してきました。
次に面接本番はどのような心持ちでいけば良いかについて、お話しします。
- ただのアンケートではなく、会話であることを意識する
- ありのままの自分を見てもらう(これ重要!)
- 表情と姿勢は大事
一つずつ簡単に説明します。詳しくは、下の記事でお話ししています。
1 ただのアンケートではなく、会話であることを意識する
面接試験では、その場で直接やりとりを行います。面接官と会話をすることを意識してください。
受験者はよく、さっと良いことを答えなければ!難しい質問が来て答えられなかったらどうしよう!と思いがちですが、そうではありません。
面接官は、受験者がどんな雰囲気の持ち主で、仕事をする上で他者にどんな印象を与える人なのかを知りたがっています。
それで良いのです。
面接官は、「何」を答えるかより、「どう」答えるかを見ています。
仕事の中で、何か困ったことがあったら黙る人と一緒に仕事をしたいと思いますか?
「すいません、今わからないので確認してまた連絡します!」って言う人の方がいいですよね。
コミュ力が大事と言われますが、それは最低限まともな会話ができるかどうかのレベルだと思います。
2 ありのままの自分がだせるように!正直がいいよ
面接では、無理に自分を取り繕う必要はありません。
そもそも、面接においてどんな人物が評価されるかわかりますか?受験者はわからないと思いますので、あるべき姿も分からないはずです。
特に心理職においては、あるべき人物像みたいなものはないと私は思っています。
面接官は、その仕事に適性があるかを見てくれています。
もし、自分を取り繕って合格したとしても、本来の自分には適性がないわけです。必ず仕事が辛くなります。
よく見せようとするのではなく、できるだけありのままの自分を見てもらい、適性があるかを判断してもらいましょう。
それで不合格だったら、仕事で辛くなる前に、適性を判断してもらったというだけのことです。
3 おまけ程度だがかなり重要な姿勢、表情
1つめの心持ちの中で、面接官は、受験者がどのような印象を他者に与えるかを見ていると書きました。
では、印象はどう決まるのでしょうか。
面接官に最初に入ってくる受験者の情報は、「見た目」です。まず、そこで印象が作られることを意識しましょう。
仕事をするにしてもお客さんや取引先の相手の人にどのような印象を与える人かというのは非常に大事なことです。
どんなにいいことを言っていても髪がボサボサでシャツがよれていては、相手は言うことを聞いてくれません。
姿勢や表情、あとは身だしなみ、この辺りは気を付ければすぐに改善できる場所でありながら、面接に与える影響はかなり大きいです。コスパがいいので、面接当日は、見た目に問題ないかまず確認しましょう!
面接の目的に照らして、どのように面接に臨めば良いか詳しく解説しています。是非見てみてください。↓
自分の良さを存分に引き出して面接を乗り越えよう
少し長い記事になりましたが、面接は、表面的なスキルなどでどうにかするものではなく、本来の自分の良さを存分に出し切ろう!と言うことをお伝えしたかったです。
そのためには、エントリーシートを作り込むことが一番大事です。
心持ちなどについては全部、表面的なことは意味がない、自信を取り繕う必要はない、ということを伝えています。
私の経験等が少しでも参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
以下、対策について細かく書いている記事です。
面接対策で最重要なエントリーシートの書き方↓
グループディスカッションの対策についてはこちら↓
面接当日の心持についてはこちら↓