今回紹介するのは、「スモールワールド現象」という言葉です。
世界は意外と小さいという話なのですが、明日使える話題になるかもしれません。
ぜひ最後まで見てみてください。
スモールワールド現象とは?
有斐閣心理学辞典では、アメリカの社会心理学者であるスタンレー・ミルグラムが「6次の隔たり実験」を行い、
見ず知らずの2人が少数の仲介者でつながることを示した
と説明されています。
やや小難し言葉ですね。では、どのような実験をミルグラムは行ったのか具体的に見ていきましょう。
何かを勉強する際に辞書や辞典を参照することはとても大事です!
最近では、ネット上で知識を取り入れることも多いと思います。
しかし、たくさんの情報が溢れているほか、ときには誤った情報が混ざっていることもあり、勉強がうまく進みません。
始めに、辞書や辞典で、定義等の正確な情報を確認することで、理解がブレずに学習を進めていくことができます。
手元に辞書や辞典をご用意されることを強くオススメします。
6次の隔たり実験
知り合いをたどると6人目で世界中の誰にでも行き着く
知り合いの知り合いを辿っていくと6人目で世界中の誰にでも行き着くことができるということを6次の隔たりといい、これをミルグラムは実験によって確かめました。
実験では、ミルグラムが、一人目のAさんに、
「Yさんに手紙届けて。」
と指示を出しました。Yさんは、Aさんが全く知らず、知らない地域に住んでいる人です。
手紙を届ける方法は、Aさんの知り合いの誰か(Bさん)に手紙を渡し、
そのBさんがまた知り合いの誰か(Cさん)に手紙を渡し…
ということを繰り返すというものです。
こういったことを50人でおこなったところ、平均6人目で目的のYさんにたどり着くことができたそうです。
とある人と世界のどこかのとある人の間に6人の人がいることから、「6次の隔たり」という言葉になったのですね。
ミルグラムの行った実験として、有名なスモールワールド現象ですが、
実は、実験に参加した50例のうち、最終の目的の人まで手紙が辿り着いたのはたった3例だったそうです。
また、同様の実験をもう一度おこなったものの、やはり成功例が少なすぎてその実験については結果が報告されなかったそうです。
こういったことから、ミルグラムの提唱したスモールワールド現象についてはさまざまな指摘があるようです。
まとめ
- 社会学者ミルグラムが「6次の隔たり」実験を行った。
- 実験では、知り合いの知り合いを6人たどると世界中の誰にでも辿れることがわかった。
- →世界は思ったより小さいネットワークでつながっている=スモールワールド現象
引用・参考文献
「ミルグラム」. 子安増生. 『有斐閣現代心理学辞典』. 初版. 有斐閣, 2021, p.878
齊藤勇監修 田中正人著. 『図解 心理学用語大全 人物と用語でたどる心の学問』. 誠文堂新光社