この記事では、就職活動においてかなり行われるようになっているグループディスカッション(公務員試験では集団討論といいます。)について、国家公務員試験を合格した私の体験談をもとにどの程度、どのような対策を行うべきかについて説明しています。
グループディスカッションとは?
学生であれば、一度は聞いたことがあると思いますが、議題等が与えられ、複数人(3〜10人くらい)でその議題について話し合うという作業をグループディスカッションと言います。
個別面接と違い、
- 受験者が他者とどのように関わるのか
- 特にチームにおいてどのような動きをするのか
を面接者が見ることができます。
最近は、チームで働くということが多くの組織でテーマとなってきていることもあり、採用試験において、グループディスカッションが取り入れられていることが多いです。
一方、心理職というと個人で仕事をするイメージも強いですが、僕がいた心理系公務員の組織でもチームで仕事をするという動きがとても強くありました。
主な心理系公務員の一つである家庭裁判所調査官の試験においても集団討論(グループディスカッション)を含む人物試験の配点割合が全体の20%を占めるなど重要視されていることがわかります。(人物試験は全体の40パーセントの割合!)
※家庭裁判所調査官の試験詳細はこちらをご覧ください。
グループディスカッションはどこまで練習すべきか?
練習しすぎると落とし穴にハマる可能性がある!?
理由1 役割の固定は危険
グループディスカッションでは、進行役、書記、タイムキーパーなどの役割分担を意識します。
何回も練習しているうちに、自分はこの役割が得意だから、グループディスカッションでは、この役割をしようというのができてくるかもしれません。
しかし、私が受けた試験では、グループディスカッションの際に、はじめに「進行役は立てないでください」と指示がありました。
一つの役割だけ練習していた人は痛い目に合う可能性があります。
理由2 実際の仕事では柔軟さが大事
理由1の続きですけど、一つの役割だけできる人ってそんなに価値はないんですよね。
この記事のはじめにチームで仕事をすることが増えていると言いましたが、チーム内での役割ってかなり流動的なんです。
会議をするにしても、メンツによって役割は変わりますし、同じメンツだったとしても流れによって必要とされる役割は変わっていきます。
企業や組織側が、必要としている人材というのも1回のグループディスカッションをうまくやりこなせる人材ではなく、そのときそのとき必要とされていることを察知できる人材だと思います。
就職面接のグループディスカッションを乗り越えるだめだけの練習はやめておきましょう。
理由3 練習し過ぎているのは、見ていてわかる
3つ目の理由は、練習し過ぎていると、演技っぽくなるという点です。
それがすぐにマイナス評価になるかというと、そうではないかもしれませんが、すっごく作られた言動をしている人って見ていてわかりますよね。
面接者からすると、「ちゃんと練習してきてるんだなあ」とは思うかもしれませんが、いい仕事をしそうかというと微妙じゃないですか?
一つの役割をこなせることはわかるんですが、そんなガチガチに作り込まれた人と一緒に仕事をしたいと思うかと言われると、そこまで思わないのではないでしょうか。
それよりも、自然体で笑顔が見られたり、少し困っていたりなんかしていても会議に前向きな姿勢でいる人の方が安心して見ていられませんか?
少し感覚的な理由になりましたが、自分が試験を受けた際、ガチガチに練習してきたんだろうなという方がいて、なんとなく「あの人受からなそうだなあ」と思っていたら、受かっていませんでした。(失礼極まりないですね。グループディスカション以外の要因も当然考えられます。)
NG言動など最低限は理解しておくべき
とはいえ、グループディスカションについて、まったく無知なままだと作業自体に面食らってしまって、自分の良さを出せずに終わってしまうかもしれません。
また、明確に決まっているわけではありませんが、グループディスカッションにおいて、あまり望ましくない言動があるので、そういった行動を取ってしまいかねないです。
なので、本当にグループディスカッションというものを経験したことがない人は、一度大学等で開催されている対策講座のようなものに参加されるのもありだと思います。
簡単にグループディスカッションのポイントを書いておきます。
一般的に議論は、進行役、書記、タイムキーパー、その他(意見をぽんぽん出す人、違った切り口で意見を言う人、話をまとめる人、雰囲気をよくしてくれる人などなど)という感じで、役割を分担されることが多いです。
自分は、どの役割を担えば良いかその場で判断しましょう。
NG行動としては、
- 議題そのものを否定する。
- 他人の意見を否定する、聞き入れない。自分の意見を押し付ける。
- 議題や話しているテーマからそれた話をする。
- 時間枠の意識がない。
- まったく発言しない、考えていることを言わない
などなどがあります。
具体的なグループディスカッションの役割分担等は、こちらの記事が非常に参考になりますので是非ご覧ください。↓
https://www.onecareer.jp/articles/269#c2
元国家公務員の経験談(おまけ)
一度も練習はしたことがない
私は、受験までに時間が無かったこともあり、一度もグループディスカッションの練習をせずに本番に挑みました。
しかし、私は、たまたま、部活でのミーティングでグループディスカッションで身につけるべきポイントを練習することができていたので、本番では大きなNG行動をとらずに済んだと思っています。
本番では…
私が受験した試験の議題はたしか「日本の幸福度を上げるにはどうしたら良いか。時間内に結論まで出してください」といったようなものでした。
また、先ほども書きましたが、注意として「進行役は立てないでください」と指示がありました。
おそらくですが、議題は、受験者間の知識が偏らないようなもの、答えのないようなものにされていたのではないかと思います。
つまり、結論自体はどうでもよく、結論を導くまでの姿勢を評価されていたのだと思います。
自分はどの役割を担ったか?
開始の合図が出されると、次々に役割が決まっていきました。(余談ですが、いきなり進行役を名乗った人がいて、絶対に落ちると思いました。)
自分はというと、特別どの役割でなくてもいいやと思っていました。
しいて言えば、楽しく、リラックスした状態で皆が意見言えるような雰囲気を作ろうかなと思っていました。
序盤の私は、ほとんどニコニコしていただけでした。しかも、自分の意見を求められたときには、「本当にすみません。まだ考えがまとまっていません。」と言いました(ニコニコしながら)。
さすがに、やばいかなと思っていたのですが、のちのち結果をみてみると、人物試験の評価はかなり良い方でした。
もちろん個別面接の評価が高かったのかもしれませんが、上記のような、とてもグループディスカッションに慣れているとは言い難い言動であっても、不合格になるような評価になることはありませんでした。
自分としては、自然体で議論に参加できていたことがいい印象になったのではないかと思っています。
グループディスカッションの練習に時間を割き過ぎないようにしよう!
自分の体験からすると、めちゃくちゃ対策をしなくても大惨事にはならなかったです。
苦手意識があって、何回も何回も対策に足を運んでいる人は、いっそ他のことに時間を使ってもいいかもしれませんね。
ありのままの自分の良さをみてもらえれば十分だと思います。
面接対策をまとめています。面接対策に困っている人は必ず読んでください!↓
面接対策で最重要なエントリーシートに作り方に関する記事です!↓
面接当日はどんな心持ちでいればいいのかについて説明しています。↓